朝、仕事を終えて自宅に帰って来ると、玄関に“彼女”が待っていた。
早朝にでも来たのか、昨夜から来ていたのか定かではないが、兎に角玄関に“彼女”はいた。
じっと動かず、何も語らず、私の出方を待っている。
(告白を待っているのか、はたまた懺悔を聞きに来たのか、ちょっと不気味な位じっとしている。)
とりあえず「中に入らせてもらうよ。」
そうことわって、彼女の横をそっと通って家に入った。
(何しに来たの?同棲するつもり?イヤイヤ、そんな事では無いだろう。何故なら彼女とは初対面なのだから。)
昼の会議に書類を持って出かけた。なんと“彼女”はまだそこにじっとたたずんでいた(っというより、しがみついていた。)。
「会議なんで、出かけるよ。鍵は掛けるからね。」そう言い残して家を後にした。
会議か終わって帰って来た、5時半を過ぎていた。
まだ居た!
「あのウ、ご用件は何でしょうか?」
「…」
「(キット、じっくり見て欲しいんだ!)初対面ですが、素敵なお姿を撮ってもよろしいですか?」
「…」
「じゃあ、撮らせて頂きます。」
そうして僕は何枚か“彼女”を撮らせてもらった。
出来れば、仰向けにして撮りたかったのだが、そこまで図々しく言えなかった。
やがて辺りは暗くなり、彼女を撮るのにもストロボが必要に成ってきた。
不思議な事に“彼女”のお尻の辺りが薄っすら光っている様に見えた。
ストロボで撮ろうとすると彼女は逃げ出すように歩きだした。
「待って!行かないで。」
彼女の光るお尻は“後をついて来て”とでも言いたげに怪しく、そして強く光り始めていた。
もう撮ることは止めた。撮るよりも一緒に居たいと思った。その時だった、
「アッ!」思わず声を上げた僕をあざ笑うかのように彼女はス~ッと暗がりを目指して飛んで行ってしまった。
押しかけ女房に成ってくれたかもしれない…。
でも欲を言うなら、ホモサピエンスの女性に押し掛けて来て欲しいなア。
by
泳げるむささび
更新:2008/07/11 01:46 作成:2008/07/11 01:37